カジノ=悪?兵庫県知事選が終わって思うコト
Ayanoです。だいぶ更新が遅れました。
いつもは「ですます」調なのですが(笑)、今回は内容的に断定調にしています。
少し長いですが、お付き合いくだされば幸いです。
前代未聞の様相を呈した兵庫県知事選が1週間前に終わった。
まだまだ真相解明についてやSNS戦略が公職選挙法に抵触しないか、といった余波が続いている。
私も兵庫県出身者として、また地元の知り合いAさん(仮名)が候補者にいるということもありこの選挙をウォッチしていた。「Aさんが当選してくれたらいいな」くらいに思っていた。斎藤さんに関しては「パワハラ・おねだりで失職に追い込まれた人」という、マスコミによって作られたイメージをもちろん私も持っていた。再選などありえないと思っていたが、兵庫県民の家族が「斎藤さんを応援する」と言うので理由を聞いてみたら、確かに「あれ?そういえば」と見方が変わっていった。私もSNSで情報を随時追いかけるようになったし街頭演説の中継を自分でも見るようになった。次第に今までの報道の在り方に目が覚めたようになった。この選挙は歴史の大きな転換点であるということも分かった。現実で起こっているドラマのような展開に、言い方が不謹慎かもしれないが半分エンタメ性を感じていた。
この一連の選挙に思うことがたくさんあった。
もう汚いことは隠せない世の中になったのだ。オールドメディアは個人が発信する情報にシフトし、一人ひとりが情報を取捨選択しながら意思決定をする。既得権益を享受する人やモノにNOを突き付ける、そんな世の中だ。
私はこの流れはカジノ(ここで言うカジノは2030年の大阪IR開業のこと)にとってウェルカムだと思っている。
先日の衆議院総選挙でも見られたように、大阪は圧倒的に維新の地盤が強く、若いリーダーの下、関西圏の中心として新しい改革を次々に行っている。経済的にも人口的にも追いつけない兵庫県はそんな大阪のいわば日陰のような存在として長年やってきた結果、闇がはびこりやすい体質になっていたのだろう。しかし今回の選挙は、長年の政治や既得権益や反対勢力などどれだけ闇深かったかを教えてくれた。そして民意はそれを押しのけるだけの力があった。
カジノの発展、特に1900年代以降はマフィアや犯罪組織との対立、権力闘争の歴史そのものだ。「闇カジノ」という言葉があるくらい、闇の中=不透明性の中に存在しているのがカジノだ。オンラインカジノ、マネーロンダリング、ギャンブル中毒、政治とのつながり。カジノの闇を挙げると悲しいがいくらでも出てくる。カジノに携わる人はこの圧倒的な闇の中からわずかな光を信じながら進むしかない。私はむしろカジノの闇なんか、今後どんどん世に出ていけばいいと思っている。
選挙中、本を2冊読み進めていた。一つは『カジノ列島ニッポン』(高野真吾著・集英社新書)。著者はカジノ反対・賛成、どちらの立場に対しても長年、取材を続けてこられ、著者自身もどちらに立つこともない。最後の章でIRに関して「何を大切にしたいのか」を問うことが大切と説く。
もう一冊は『人は、なぜ他人を許せないのか』(中野信子著・アスコム)。≪すべての人の心に潜む「正義中毒」という快楽》を解説したこの本は、「斎藤さんを応援する自分は正義」という感覚が自分も含めてどこかにあるのではないか、と今回の選挙に内容が完全にシンクロして一気に読み進めた。以下一部抜粋する。
・人の脳は、裏切り者や社会のルールから外れた人、といった、わかりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるようにできている。
・SNSの普及により正義中毒者は増加の一途をたどっている。SNSでは似たもの同士でつながることが多く、自分がほしい情報だけを取り入れ、受け取るようになっていくので、いつのまにか「自分の主張こそが正義なのだ」と考えるように仕向けられてしまう。
・正義中毒から解放される方法は、あらゆる対立軸から抜け出し、何事も並列で処理すること
今回の兵庫県知事選挙と同じように、カジノも利権を享受する側にとってはプラスの面が、反カジノ派からマイナス面が報じられてきたのではないかと思う。横浜市のように首長の方針によっては日本のIR戦線から一気に脱落してしまう、そんな乱高下の激しい性質を持っている。
「カジノ=悪」という構図はすごく分かりやすい。反対の根拠として必ず言われる「ギャンブル依存症」というのがあるが、では「これまでパチンコや競馬、世の中のギャンブルのあり方について考えて来たことありますか。それに反対したことはありますか」と問うと「はい」とは言えないのではないだろうか。どこの街でも見かけるパチンコを横目に、共存するという選択をとってきたのではないだろうか。ちなみに誰でも入場できるパチンコと違い、大阪IRは入場料がとられ、来場も制限されるので、よりセキュリティーは高くなる。
一方的に「斎藤さん=悪」という見方をしていたが、その意識が「マスコミ=悪」に変わった人が今回たくさんいた。同じように少し見方を変えてみるとカジノにもプラス面があるのだ。シンガポールやラスベガスはカジノができて犯罪率が圧倒的に下がり街の治安がよくなったという経緯がある。大阪IRが開業すると「外国人がお金を落としてくれ、地元経済の活性化につながる」「雇用が生まれる」「地方税収の財源になる」といった事もある。
私はカジノを強く推進という立場でもない。今のところ「カジノ=悪」という思い込みから解き放つ立場、というのがしっくりくる気がしている。
海外に行く機会があれば、宝くじに3000円使う感覚で、1回だけカジノのゲームに参加してみてはどうだろうか。(ただしリスクの許容範囲内でお願いします。ここが一番重要なところです)そこからでも「カジノは悪なのか?」と考えるのは遅くない。